しんしん相澤です。
先日、
「南アルプス子どもの村小中学校」
の学校見学に行ってきました。
ドキュメンタリー映画「夢見る小学校」
に出てくる学校でもあります。
見たことある方もいらっしゃるかと思います。
10/7、8に静岡市で、
10/23には富士市で上映会があります。
興味のある方はぜひご参加くださいませ!
富士市の開催情報です
↓
https://www.at-s.com/event/article/screening/1124324.html
さて、
今回、南アルプス子どもの村に見学に行った際
校長から様々な貴重なお話を伺いました。
学校の方針や、重要視していること
どのように子どもと関わっているか
何を徹底しているのか
詳しくお聞かせいただきました。
学校内の雰囲気も
一般の世間からはかけ離れた「桃源郷」のように感じました。
なぜそのように感じたか?
そこには
「本当の自分のままでいていい」
という
絶対的な安心感
がある雰囲気を感じたからです。
校長のお話を聞き
学校内を見て回って
肌でそれを感じることができました。
子どもたちは皆生き生きとし
好きなように動いている
中学生ともなれば
まるで大学生の研究室のような場所で
眼力も強く
自分のしたいことに没頭している
大人の意を介さず
決して卑屈な振る舞いをしている子は見当たらない
本当の意味で
自分らしく過ごしている
そのような力が充満していました。
もちろん
そうなるまでの苦労や
日々何かしらのいざこざは多々あるようですが
そもそも雰囲気が違うのです。
そんな子どもの村には
一般的な小中学校とは違った特徴がたくさんあります。
・子どもに任せて待つ教育
・チャイムがない
・通知表やテストがない
・宿題もない
・上下関係もなく先生もいない(大人と呼ぶ)
・教えない
・子ども大人を含めてミーティングで全て決める
・全て子どもに任せる
・大人の答えを言わない
・退屈がスパイスである
ナドナド
とにかく子どもが主役の学校です。
「3つの基本原則」としては
1)子どもの自己決定
2)個性化教育
3)体験学習
を主体とし
さらに、子どもの村小中学校に
3つの「自由」というものがあります。
1)自由な感情
2)自由な知性
3)自由な人間関係
実は僕らは
画一的な教育により
この自由を奪われて生きていることにすら
気づいていません。
例えば、1)自由な感情
何か理由があって泣く子がいたとします。
それを大人が泣き止ませようとするのが通常です。
しかし、
ここで無理に泣き止ませせることで
この感情が消化されずに残ってしまいます。
この感情こそが
大人になった時の不具合として
蓄積し続けています。
この時
しっかり感情を使い消化させれば
残ることなくむしろ学びへと進みます。
しかし、
大人の押し付けにより
多くの方がそれを阻害されて
成長し大きくなります。
また、2)自由な知性
本来何を考えてもいいし
どんな価値観を持ち合わせても良いはずなのに
「これはこういうものだから」
「これが当たり前だから」
と「教えられる」ことで
知性を探求することを阻害されていることにすら
僕らは気づいていません。
そもそも学びとは
主体的であり自己探求です。
もちろんその際に教えを請うのは必要かもしれません。
しかし、
最初から「教える・教えてもらう」ことにより
主体性と自分で考える力が
削がれる可能性が大きいわけです。
そうなると、
自分で考える力を養えなかったり
椅子にじっと座って
「教えてもらう」
ことで
「やりたくないことをやらせている」
感覚を、成長させしまうことにもなります。
子どもの村を卒業した子たちの特徴として
・疑問を持てる力がある
・質問力がある
・主体的である
この力が非常に強いようです。
これは僕も耳が痛いですが
そもそも疑問を持てなければ
クリエイティビティを発揮できません。
人はもともとクリエイティブなはずなのに
その力を上手に使えなくなります。
主体的でなければ
不満も多くなり誰かのせいにしがちです。
簡単にいうと
これらの力は強力な
「自分を自分で幸せにできる力」
でもあるのだと思います。
つらつらと書いてきましたが
これらのことを総合して
子どもの不登校にしても病気や不調にしても
大人の病気や不調も
全て同じですが
つまるところ
「自分らしく生きていない」
それが様々な不具合の
大きな要因になっていると感じます。
・
・・
そして、今回のタイトルでもありますが
今回の見学での校長のお話で
僕がとりわけ印象に残ったものが
特にママさんに対して
「子どもを通して幸せになろうとするのは、やめてください、
とはっきりお伝えしています。」
ということでした。
なかなかパンチがありますよね…^^;
これはすごいな・・と思いました。
ここまで理解して
親と接している学校や教職員はいるでしょうか?
このお話は
子どもの村には「寮」があるのですが
寮がある理由として
「母親の自己実現をサポートしたい」
という思いがある、といったものでした。
以前も、当学校の校長の話を聞いたことがあるのですが
その時も
「子どもが心配で電話してくる母親には
日中お母さんは何をしていますか?
あなたの好きなことをしてください、
とお伝えしています」
と言っていました。
これは
お子さんや家族に不調を持つ
特にママさんにはとても重要なお話なんです。
なぜなら
お子さんに不調をお持ちの方の場合
お子さんにエネルギーを傾けすぎて
「お子さん抜きのご自身の幸せ」
が非常に薄くなってしまっている場合が多いからです。
(もちろん逆のパターンもあります)
お子さんを過剰に心配してしまう
お母様方は少なくないと思います。
もちろん
お子さんに不調があったりすれば尚更のことですし
「心配に決まってるじゃないか!」
という言葉が聞こえてきそうです。
もしかすると
この記事を読んでいただいているあなたも
そのお一人かもしれませんし
少し気を悪くするかもしれません。
しかしもともと、
・母親(父親もですが)から子どもへ注ぐエネルギーや期待が多い
★期待は「回復時」も注意です。
・朝早く起きてほしい
・元気になってほしい、なるといいね
・学校に行けるようになるといいね
→「〇〇になってほしい」のは、自分自身の想いだと自覚が重要です。
然るべき状態になることで、自然と元気になり学校に行く等の
「選択ができるようになる」のです
・子どもの幸せが自分の幸せという気持ちが強い
このような傾向が強い方は
ご自分と向き合う機会と捉えると
良いかもしれません。
もちろんお子さんの幸せを願い
それをサポートするのは親の役目だと思います。
しかし
子ども自身の幸せ
と
自分自身の幸せ
は
別物
だということに
気づく必要があるのだと思うんですね。
ちなみに
「子どもを通して幸せになろうとするのは、やめてください」
この言葉は
「〇〇(他者)を通して幸せになろうとするのは、やめてください」
として
〇〇→夫・妻、彼氏・彼女、子・親
と言い換えてもいいかもしれません。
自分の幸せは
他者に委ねられているわけではない
からなんですね。
なお、
今回書いてきたことに
「良い悪い」はありません。
大切なことは
自分自身への気づき
自分の傾向やパターンを
知ることだと考えています。
子どもの村でも
子どもが自分で自分を幸せにできる
生きる力を育てるために
母親(や父親)自身にも
自分の幸せを掴みとってもらいたい
そのように考えているのだとよくわかりました。
僕自身も全く同じように考えています。
しんしんにご相談いただくママさん達にも
僕からもこのようなお話をさせていただくことも
多かったりします。
その際よくお話することでは
・自分の時間を作る
・お子さんや家族に向いているエネルギーの割合を、自分に増やす
・自分のやりたいこと・やりたかったことをやってみる
等があります。
自分のやりたいことなんてわからないし
今やりたいことはない、
そうおっしゃる方も少なくありません。
小さな事でいいんです。
趣味を作る必要もありません。
日常の小さなことから自分を満たしてあげる
自分の欲求に自分が応えてあげる
そんな練習をしてあげてください。
ラーメンが食べたいのに
子どものためにちゃんとしたもの作らなきゃ…
と思ったら
ぜひラーメンを食べてください。
やらなきゃいけない家事がたくさんある
けど何もしたくない、
そんな日があれば
何もしないことを選んでください。
少しずつ
自分に矢印をむけて
エネルギーをご自分に注いで
自分を満たす練習をしてあげてください。
なによりも
「自分が幸せになる」
それが最終的に
お子さんやご家族の健康や幸せにも繋がります。
一人でも多くの方が
より「自分自身」に近づき
自分らしさを発揮して
生きていける人が増えるよう
これからもサポートさせていただきます。
お読みいただきありがとうございました!
(写真は農をやっているクラスの成果物?の一部です。本当に研究室でした)